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Digital Performer オンツアー〜DPをライブで使う5つの理由〜

Greg Ruleは以前は米Keyboardマガジンの編集者で10年ほど前にツアーの仕事に移りました。過去10年間にはイーグルスやマイケルジャクソン、バン・へイレンや他のアーティストとツアーをしています。最近ではフォーリナーともツアーに出ました。
GregはDigital PerformerとMOTUのハードウェアに信頼を置いています。来る日も来る日もバックステージで強いプレッシャーを受けながら、彼のコンピューター機器はステージ上のアーティストやバンドメンバーと密接につながっています。失敗はあり得ず、全くパニックに陥ることも許されないのです。以下にGregはMOTU製品がいかに彼の仕事に役に立ち、10年間のライブツアーで成功を収めたか、彼自身の言葉で語ってくれています。

なぜDPはコンサートのプレイバックシステムとして素晴らしいのか

近年、コンサートに足を運ばれた方はわかると思いますが最近のステージ・プロダクションはとても複雑で緻密になってきていますね。特に秘密なんてないのですが、大きなショーをひとつにまとめるにはプレイバックはしばしば構成要素のキーとなるのです。

プレイバック・エンジニアの役割はアーティストのビジョンや予算によって幅広くなります。最もシンプルな例としてはバンドメンバーにクリックを送り、毎晩安定したテンポを確約します。 しかし通常、多くの場合はバッキングトラックやユーティリティのデータをコンサートのサウンドに統合させてシンクさせます。 イヤーモニターのキューからMIDIのパッチチェンジからタイムコードの分配まで、プレイバック機材はステージ上の全ての部署をオンタイムにキープするのです。

– Greg RuleのMOTUベースのコンピューターシステムがステージ裏で本番に備えている –

オーディオ・プログラマーとして世界中をツアーしていると、どのソフトウェアをプレイバックに使っているのか、またその理由を教えてほしい、とよく聞かれます。ライブパフォーマンスのためのアプリは市場に多く出回っていますが大規模なコンサートでの信頼できるプレイバックとなると、 Digital Performerは長きに渡って私の信頼できるプラットフォームとして欠かせません。

何故 DPがプレイバックに優れているか5つの理由を述べましょう。

1. 安定性

満員のスタジアムや何百万の視聴者が見ているTVショーではコンピューターがフリーズしてマウスアイコンがスピンしたり、エラーメッセージを見せたくないですよね。Digital Performerは私が使った中では最も信頼性が高く、クラッシュにも強いDAWですね。 

2. チャンク

本来は作曲家のためのクリエイティブなツールとして考えられた Digital Performerのチャンク機能ですが、これはコンサートでマルチトラックのソングファイルを組み合わせたりコントロールするのに非常に有効なツールです。 iTunesのプレイリストのように簡単に使えて、しかも実はもっとパワフルなんです。 

チャンク機能には本当に感謝していて、ショーの間に開いたり、閉じたり、ファイルをロードしたりする必要がありません。 全てのマルチトラック・セッションがその長さに関係なく、瞬時に選択できてプレイ出来る、一つの便利なファイルに同時に存在できるんです。もちろん必要に応じて削除や追加も出来るし順番を変えたければ単純にリスト上のタイトルを上下にドラッグすればいいんです。

– GregのDigital Performerプロジェクトからチャンクの例 –

これはチャンクの一番良い点なのですが、それぞれの曲はチャンク・ウインドウの中で独立したままなんです。 再生したいソングをクリックするとそのソングに関連したトラック、ミキサーセッティング、パフォーマンスパラメーターなどが瞬時に再現されます。編集を加えた曲は他の曲に一切影響を与えません。 

これは非常に重要に感じますね。今まで他のDAWで作られたマルチトラックファイルを数多く見てきましたが単に単一のタイムライン上に並んでいるだけですべての曲が左から右へ並んでいるんです。これはリスキーですよ。もし一曲を編集すると不注意で他の曲のデーターを破壊しかねません。また曲順を変更するのはとてもやりづらいですね。こんなやり方ではプログラマーは大きなトラブルを抱えかねません。DPのチャンク機能はこういった混乱やリスクを解消してくれるんです。 

3. キューとチェーン

チャンクでセットリストのクリエーションやマネージングを行うことの利点を述べてきましたがまだ他にもあるんです。セットリストの組み合わせで、ソングのキューやトリガーの方法をショーの間で決められるんです。例えばリストの次の曲が終わると自動的にこの曲を再生するとか、またすぐに再生するのか、マニュアルでスタートさせるのか、あるいは全く何も無しとか。あなたがDPにどのように振る舞うか決めるんです。 

連続で、矢継ぎ早に曲をスタートさせなければならないツアーに出たことがあります。そういったシチュエーションではCue- ChunksやChain-Chunks機能を使ってとても助かりました。この時はもう言葉に出来ないほど価値を感じましたね。 

4. メドレーの構築

ツアーではミュージカル・ディレクターがソング・メドレーをリクエストすることが珍しくありません。 メドレーは特に数十曲、(あるいは数百曲!)のトラックになると編集も、マネージメントもたまらない苦痛になることがありますがDigital Performerのソング・ウインドウを使えばメドレーの構築も簡単にできます。

” 通常この作業をゼロから行うと、とても時間がかかるのですがこのDPの機能のおかげで素早く、簡単に出来るのです。MOTUにとても感謝しています ” 
— Greg Rule

ソング・ウインドウはチャンクと同様に本来は作曲のツールとして開発されたものです。 しかしながらこれはマルチトラックのソングメドレーを作り込むのに便利なツールとなりました。シンプルに複数のチャンク(ソング)をソング・ウインドウにドラッグ&ドロップして好みの順番に並べます。瞬時に、統合されたメドレーファイルの中にそれらを組み込むことが出来るのです。しかもそれぞれのオーディオトラックやマーカー、コンダクタートラック、プラグイン、ミキサー・セッテイングなどはオリジナルのソングの状態で維持されたままです。 

一旦新しいマスターメドレーファイルを作ったらトランジションポイントを細かく調整出来ますが、殆どの時間のかかる作業はDPが既に行ってくれているのです。通常この作業をゼロから行うと、とても時間がかかるのですがこのDPの機能のおかげで素早く、簡単に出来るのです。MOTUにとても感謝しています。

– GregのDigital Performerプロジェクトからメドレーの例 –

5. 安定したシンク

実は余分なシステムがプレイバックの世界ではとても重要となります。最低でも2セットの、シンクして走る全く同じプレイバック機材が必要で、片方が壊れた時には即座に切り替えなくてはなりません。ハードディスクが壊れたり、思いがけない危険なことが起きるのに、“もし”や“いつ”起きるかなんて質問しても愚問です。ある時、ショーが始まってまもなく、舞台の関係者が転んで私のラックに倒れ込み、私の使っていたオーディオ・インターフェースの一つのプラグが動作中に抜けてしまったことがありました。ライブショーでは何が起きるか本当にわからないのです。 

Digital Performerと共に私はMOTUのハードウエアを長年使っていますが両者のスムーズな連携がとても大好きですね。 DPの以前のバージョンではMOTU SMPTE Setup appをサンプル単位のタイムコードリンクとしてメイン機とバックアップ機をシンクさせていました。 このアプリではFreewheelモードで使えば、もしメイン機がシンク・ジェネレートをストップさせてもバックアップ機は再生を続けることができるのです。とても素晴らしいシステムで多くのツアーで使いました。 

しかし近々のうちに MOTUの新しいSMPTE-Zプラグインがリリースされるとメインとバックアップを ダイレクトにシンクさせることができます。

– Digital Performer’s new SMPTE-Z plug-in –

MOTUによる説明です。“SMPTE-Z はDPがタイムラインにロックされた状態か、あるいはFreewheel モードで独自に走行している状態でLongitudinal Time Code (LTC) をジェネレートします。StillframeオプションではもしDPのトランスポートが停止しても(ワンフレーム単位で停止)タイムコードを続けてジェネレートします。タイムコードはDPのどのオーディオトラックのアウトにもアサイン可能で、幅広いシチュエーションで正確なタイムコードシンクが可能になります。 

Digital Performerを使って2台のプレイバックしているコンピューターをシンクさせる方法は他にもあります。例えばCommandsウインドウを使ってMIDI ノートナンバーをDPのトランスポートコントロール にマッピングさせ、コントローラーを使って2つのMIDI アウトプットで両方のコンピューターを同時に走行させるのです。2台のコンピューターを“Wait For Note”モードにしてこの方法を発見したのですが両方のマシーンが全く同じ状態となり、スタートトリガーも安定します。これは2つのシステムをシンクさせるのには安全な方法で両方を繋ぐわけですが、通常のトランスポートコマンドをフォローするだけなのでシンプルですが数値的な正確さには欠けますね。

アンコール

さていかがでしたか? 私が何故Digital Performerを信頼してプレイバックに使うのか、5つの理由でした。もっといろいろありますが今回はこの辺にしておきましょう。 

あなたもDPをライブショーで使っていますか? もしそうならMOTUに是非フィードバックを伝えてあげてください。私と同様にMOTUの人たちも意見を聞きたいはずですよ。 

私のようなツアー仲間達にメッセージです。スムーズなギグを、安全な旅を、そして完璧なプレイバックを祈っています。

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