この仕様は、オーケストラ楽器の性質を考慮したものです。
具体的に、ストリングスやブラス系の楽器は、ロングトーンで演奏する最中に、微妙なダイナミクス変化を常に行う楽器である特性上、他のバーチャルインストゥルメントで使用する、ノートオン時のベロシティによる音量コントロール方式を採用していません。
ベロシティを一定に打ち込んだ上で、CC11、CC1でダイナミクスを変化させた方が、音色変化が不自然では無いという考え方を、EASTWEST製品は採用しています。
さらに、このダイナミクスの変化は、単一のサンプルを単純にボリューム制御して表現するものでは無く、ダイナミクス別に収録された異なるサンプルをクロスフェードさせることによって生じさせます。この仕組みにより、リアルなダイナミクス表現を行うことが可能です。
【この仕様が採用されているライブラリを含むEastWest製品】
- Hollywood Orchestra Opus Edition
- Hollywood Fantasy Orchestra
- Hollywood Strings 2
- Symphonic Orchestra
- Hollywood Pop Brass
コントロールするパラメーターの確認方法
下の画像はOpusソフトウェアのBROWSE画面です。
ライブラリを選択すると画面上に詳細な情報が表示されますが、赤い下線部分にコントロールチェンジナンバー(CC)及び、対応するアーティキュレーション(奏法)が表示されます。
例の「18V Sus MAX」ライブラリに関しては、CC11(エクスプレッション)でダイナミクス(音量)を、CC1(モジュレーション)でビブラートを制御します。
下の動画では、一定のベロシティで打ち込んだMIDIノートに対して、CC11(エクスプレッション)でダイナミクスに変化をつけています。
CC11の値が大きくなるにつれ、音量のみならず、パワフルな音色が鳴っている事がわかります。
さらに詳細なCC1、CC11の入力に関して、下記ビデオの19分39秒の箇所より解説しています。