インタビュー & コメント

TONELUXチューブマイクロフォン JC37 レビュー by 青野光政

1970年代よりエンジニアとして活動されてきた青野氏。

中島みゆき、井上陽水、泉谷しげるといったアーティストから80年代アイドル、クラシックまで幅広いフィールドでのレコーディングで培った経験によるビンテージ機材への造詣は深く厳しい。その青野氏にTONELUX JC37を使用してレコーディングしてもらった。オリジナルを使用した経験を持つ同氏ならではの感想とこのマイクをより活かすためのヒントとなるインタビューとなった。

 

JC37を試していただいて、どんな楽器に使うと良さそうだと感じられましたか?

僕が一番いいと思ったのは、エレキギターのレコーディングに向いているなと感じました。それ以外にドラムのタム、そしてナレーションに向いていると感じましたね。

ギター音色としてはカッティングなどに向ていると思います。ピークがあまり出なくて、それでいてソリッドで存在感の有るサウンドで録れるので良いですね。逆にエッジが必要なディストーションサウンドにはちょっとつらいかもしれません。タムに関しては、柔らかさに加えて太さが得られる…ダイナミックには無いコンデンサーならではの音がして、300~400Hz辺りの音がきれいに録れるんです。よく使われるダイナミックマイクでジャズなどをレコーディングすると物足りなくなって音に暖かさが無くなってしまうんです。ここはダイナミックとコンデンサーの音色の大きな違いでもあるので、レコーディング時にマイクを選ぶときのポイントにもなっています。

ナレーションで使う場合は、リップノイズを減らすことができるんですよ。例えば、アフレコなどでよく使われているコンデンサーマイクだと目立つリップノイズもこのマイクだとより少なく聴こえますね。リボンマイクを使うと音がもやけた感じになって活舌が悪く聞こえたりする場合が有りますがJC-37はそこが改善されて聞こえます。これは元になっているC-37Aのキャラクターをよく再現できているんだと思います。ピークが抑えられていて耳が痛いサウンドにならないっていう長所がよくできてますね。

 

SONY C-37Aを使用してレコーディングされた経験はおありですか?そのときの印象とJC37の印象の違いはありますか?

チューブ(C-37A)とFET(C-37P)を使ったことがあるのですが、チューブの方はあまりいい状態のものに出会ったことが少なくてC-37Pを使った経験の方が圧倒的に多いんです。先ほど話した用途と同じようにタムに立てたりエレキギターに立てたりしていました。聴いた感じがSONY製のものに関してもこのJC-37に関しても聴こえてくる音がコンプレッションがかかったようなサウンドが継承されていてますね。これはSONYのマイクに共通する特徴だと私は思っています。

違う部分というか、新しく感じている部分は現代の音楽に合わせているよりは部品のせいなのかもしれないと推測しているんです、その影響もあってハイエンドが少し多いかなとも感じています。

ただ、それはチューブのC-37Aの新しい状態のものを聴いていないから絶対にそうだとは言い切れないですが、C-37Pよりはピークが多く感じますが耳に付いて嫌な感じではないですけど。あと低域がぼやけてないところが良いですね。そういうことからもタムに立てるといい音がするんじゃないかな。

 

 

どんな音楽のレコーディングに適していると思いますか?

J-POPよりも、わりと大人な雰囲気の音楽に向いていると思います。ジャンルでいうとジャズとか、6,70年代の洋楽をよく聴いていたその雰囲気を出したいときに良いでしょうね。

今どきのJ-POPのようにハイ上がりの楽曲にも使えるとは思いますけど、このマイクの良さを活かしきれないかな、使うのであればピアノとか。ピアノをオンマイクでセットし、位置としてはダンパーのちょっと後ろ辺りに置くといい音がすると思いますよ。

 

ジョー・チッカレリ監修で作られたのですが、チッカレリさんによるプロデュースの片鱗は感じしますか?

彼が求めているであろうサウンドは得られていると思います。C-37Aのいい状態に近づけようとしたのではないかとも感じますね。

 

C-37Aは日本製のマイクなのに日本ではあまり使われず、アメリカでの方が人気があるようです。この差はどうしてなんでしょう。

それはどうしてなんでしょうね (笑)。たぶん日本の録音業界は自国の製品を信用していなかったからかな。

日本人は、ドラム、例えばタムなどにコンデンサーマイクを立てることが少ないんですよね。私も70年代にその違いに気が付いていて何故違うのかなぁと悩んでいた時があって、アメリカのプロデューサー&エンジニアという雑誌でコンデンサーマイクをタムに立てているのを目にしたんです。その時録音をしていたスタジオにC-37Pがたくさんあったので試しに使ってみたんです。高価なコンデンサーマイクにもしスティックが当たったら…なんてことを考えたら立てられないですけど、ちょっと雑に扱ったというか試しに使ってみたら結果が良くてしばらく使いました。

 

このJC37はどんなユーザーにお勧めですか?

若い人にはなかなか分かってもらえないかな…今流行りのJ-POPの中で使うことを考えると他にもっといいマイクがあると思います。 でも、そう言う時にこそ、JC-37が役に立ちます。なぜかと言うとN社、A社などの他には無い音が録れるからなのです。そしてトリッキーな使い方よりもナチュラルな音を必要としている人に向いているとも思います。後は、語りっぽい歌やナレーションに使うのもすごくいいと思います。

管楽器にもいいと思うし、ピアノにも良いでしょう。あとは意外にマレット系の楽器にもいいです。ピークを持つような楽器にも良いと思います。

ナチュラルでいい音が録れるSONY C-37Aを継承して作られた、このJC-37、皆さんも一度お試しください。いい結果が出ると思いますよ。

 

    JC37

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    ¥315,000¥545,000 (税別)

 


 

青野光政 プロフィール

I・DE・A Sound 主宰のレコーディングエンジニア。ビンテージ機材への造けいは業界でも有名。アイドルからジャズ、クラシックまでジャンルを問わず幅広く活躍している。

主なアーティスト:SMAP、嵐、MATCHY with QUESTION?、Kinki Kids、ASUPALGU、TRICERATOPS、KOJIKANATUR、ポケットモンスター、泉谷しげる、ザ・フォーク・クルセダーズ、浜田省吾、井上陽水、中島みゆき、林田健司、真心ブラザーズ、THE COLTS、ツノダ・ヒロ、カルメン・マキ、class、早見優、松本伊代、少女隊、島谷ひとみ、MAX、hitomi、鈴里真帆、他多数

 

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